一概に自動運転といっても、運転自動化レベルは5段階に分けられており、レベル1、2の段階は運転支援と呼ばれることもあります。日本の法律において「自動運行装置」と称されているものには、このレベル1、2の段階の装置は含まれていません。道路運送車両法41条の定義規定をみてみます。
第四十一条 自動車は、次に掲げる装置について、国土交通省令で定める保安上又は公害防止その他の環境保全上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない。
二十 自動運行装置
2 前項第二十号の「自動運行装置」とは、プログラム(電子計算機(入出力装置を含む。この項及び第九十九条の三第一項第一号を除き、以下同じ。)に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)により自動的に自動車を運行させるために必要な、自動車の運行時の状態及び周囲の状況を検知するためのセンサー並びに当該センサーから送信された情報を処理するための電子計算機及びプログラムを主たる構成要素とする装置であつて、当該装置ごとに国土交通大臣が付する条件で使用される場合において、自動車を運行する者の操縦に係る認知、予測、判断及び操作に係る能力の全部を代替する機能を有し、かつ、当該機能の作動状態の確認に必要な情報を記録するための装置を備えるものをいう。
第2項の規定は、とても長い一文でかかれています。もう少し分かりやすく読めるように分解してみます。
「自動運行装置」とは、
プログラムにより自動的に自動車を運行させるために必要な、自動車の運行時の状態及び周囲の状況を検知するためのセンサー並びに当該センサーから送信された情報を処理するための電子計算機及びプログラムを主たる構成要素とする装置であって、
⇒装置の構成要素は、センサーとコンピュータープログラムとされています。
当該装置ごとに国土交通大臣が付する条件で使用される場合において、
⇒使用条件、つまり走行環境条件は、装置ごとに国によって設定されるということになるようです。
自動車を運行する者の操縦に係る認知、予測、判断及び操作に係る能力の全部を代替する機能を有し、かつ、当該機能の作動状態の確認に必要な情報を記録するための装置を備えるものをいう。
⇒運転の全過程をシステムが代替するものでないと、つまり運転自動化レベル3以上のシステムでないと、自動運行装置と呼ばないと定義されています。
なお、
道路交通法でも、「自動運行装置」という文言は出てきますが、上でみた道路運送車両法と同じ定義を使うことが明記されています。
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
十三の二 自動運行装置 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四十一条第一項第二十号に規定する自動運行装置をいう。